はじめに
「親なき後問題」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、障がいのある子どもを持つ親が、自分の死後や介護ができなくなった後に、子どもが安心して生活を続けられるかという深刻な課題を指します。
高齢化や核家族化が進む現代社会では、多くのご家庭がこの問題に直面しています。
今回は、行政書士としての視点から「親なき後問題」の現状と、今からできる準備について解説します。
「親なき後問題」が起きる背景
障がいのあるお子さんを育てるご家庭では、親が元気なうちは生活のサポートができます。
しかし、親が高齢になったり、亡くなった後には、次のような困難が生じやすくなります。
- 生活の場(住まい)が確保できない
- 金銭管理や契約などが難しくなる
- 医療・福祉サービスの継続利用が不安
- 信頼できる相談相手がいなくなる
つまり、「親がいなくなった後、子どもの生活を誰が支えるのか」という問題が本質です。
親が元気なうちに対策を取っておくことが、子の将来の安心につながります。
「親なき後問題」への主な備え方
行政書士として関わる場面では、主に以下のような準備をおすすめしています。
1.遺言書の作成
親の財産をどう分けるかを明確にしておくことで、子どもの生活費や住まいの確保がスムーズになります。
特に障がいのある子どもがいる場合は、遺言に「特定の財産を生活支援に充てる」などの工夫が可能です。
2.信託制度(民事信託・家族信託)の活用
親が生前に、自分の財産を「信頼できる家族や専門家」に託して管理してもらう制度です。
親亡き後も、信託契約に基づいて子どもの生活を安定的に支援できます。
近年、“家族信託”は親なき後対策の有力な方法として注目されています。
3.成年後見制度の利用
判断能力が低下しても、本人に代わって財産管理や契約を行うことができる制度です。
親が後見人を指定しておく「任意後見契約」も有効です。
信頼できる人をあらかじめ決めておくことで、安心が長く続きます。
4.死後事務委任契約
葬儀や行政手続き、施設への連絡などを、信頼できる人に託す契約です。
「親が亡くなった直後の対応」をきちんと決めておくことで、混乱を防ぎ、子どもの生活を守ることができます。
地域と専門職による支援の重要性
「親なき後問題」は、家庭だけでは解決が難しい複合的な課題です。
そのため、地域の福祉サービス・相談支援事業所・行政書士などの専門職が連携することが重要です。
高槻市では、障がい福祉課や相談支援センター、社会福祉協議会などが連携し、家族支援の取り組みを進めています。
親御さんだけで悩まず、早めに相談の一歩を踏み出すことが何より大切です。
行政書士にできること
行政書士は、法的な文書作成や制度活用のサポートを通じて、「親なき後問題」に取り組むご家庭を支援します。
- 遺言・家族信託・任意後見契約書の作成
- 死後事務委任契約の作成
- 相続・財産管理に関するアドバイス
- 各制度の仕組みや手続きの説明
制度を上手に組み合わせることで、ご家族の希望に沿った安心の仕組みを構築できます。
まとめ
「親なき後問題」は、決して他人事ではありません。
親が元気なうちに、子どもの将来を見据えた準備を進めておくことが、最大の愛情です。
高槻市の行政書士として、私は一人ひとりの家庭に合わせた具体的な支援策をご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。
あなたのご家族の「これから」に寄り添い、安心の未来づくりをお手伝いします。
乾行政書士事務所
遺言・後見・家族信託・死後事務など、「親なき後」に備える各種サポートに対応しています。
お気軽にご相談ください。
事務所名:乾行政書士事務所
代表者:乾 公憲
住所:大阪府高槻市上牧北駅前町4番50号
📌 対応エリア:茨木市、高槻市、枚方市、交野市、吹田市、摂津市、箕面市、寝屋川市
📞 お問い合わせ:072-691-5370
📩 メールでのご相談も受付中です
ごあいさつ
私は、障がい福祉サービスに特化した行政書士として、これまで多くの事業者様の立ち上げ・運営支援に携わってまいりました。高齢者や障がいのある方、そのご家族が安心して暮らせる地域づくりを支援することを使命とし、制度理解から各種申請、運営の課題まで、丁寧かつ実務的にサポートしております。
このたび、より幅広いニーズにお応えするため、遺言・相続・死後事務委任契約・成年後見制度の利用支援など、民事法務の取り扱いも開始いたしました。とくに、福祉の現場に近い立場で業務を行ってきた強みを活かし、ご本人の思いやご家族の不安に寄り添った法的支援を心がけております。
障がい福祉と民事業務の両面から、「支援が必要な方々の権利と暮らしを守る」ことを目指し、地域に根ざした専門家として真摯に取り組んでまいります。どうぞお気軽にご相談ください。
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